REAJ日本信頼性学会
[終] 日本信頼性学会2017年度第1回フォーラム「システム安全の新たな潮流」
講演会/見学会/シンポジウム
開催日 : 2017-09-14 (木)

              システム安全の新たな潮流
     -システム理論に基づく新しい安全性解析手法STAMP/STPAの活用-

 私達の身の回りには様々なシステムがあります.これらの多くはコンピュータが用いられており,高機能化に伴いますます大規模かつ複雑化しています.それに伴い,システム同士のみならず,人とシステムの間の複合的な原因による障害も懸念されています.このような複雑システムの安全性解析には,従来から広く用いられているFTAやFMEAだけでは限界があります.近年,コンピュータを含んだ複雑なシステムのアクシデントモデルとして,システム理論に基づく事故の発生過程のモデルであるSTAMPが,マサチューセッツ工科大学のレブソン教授により提唱されています.そして,STAMPモデルを前提としたハザード要因を分析する安全性解析手法であるSTPAも活用されつつあります.今回のフォーラムでは,STAMP/STPAの日本への普及や,本手法の活用に深く関ってこられた講師の方々に,その意義や内容について,わかりやすく講演していただきます.

(日 時) 2017年9月14日(木)13:00~17:00

(会 場) 日本科学技術連盟 東高円寺ビル 地下1階講堂
     (東京メトロ丸ノ内線東高円寺駅から青梅街道を新宿方向へ徒歩約5分,
     「和田三丁目」交差点手前)
     http://www.juse.or.jp/upload/files/map_koenji_data0227.pdf

(参加費) 正会員・賛助会員・協賛学協会会員(FMES関連学会) 3,000円,
      非会員5,000円,学生1,500円
       (当日,ご持参ください)
       (FMES関連学会については下記プログラムの下をご参照ください)

(申込方法)下記、お申込フォームよりお申込みください.

(お問合せ)日本信頼性学会事務局
      〒166-0003 東京都杉並区高円寺南1-2-1 一般財団法人日本科学技術連盟内
      電話03-5378-9853 FAX03-5378-9842 E-mail:reaj@juse.or.jp

(プログラム)
13:00〜13:05  開会挨拶(日本信頼性学会 会長)
13:05〜14:00 「STAMPとFRAM 」
               野本 秀樹 氏(有人宇宙システム株式会社)
14:00〜14:10  休憩
14:10〜15:05 「複雑システムの安全設計へのチャレンジ
        ~システム理論に基づく新しい安全解析法STAMP/STPAの実践~」
               兼本 茂 氏(公立大学法人会津大学)
15:05〜15:15  休憩
15:15〜16:10  「STAMP理論を活用した信号保安装置の安全解析の試行」
               国藤 隆 氏(東日本旅客鉄道株式会社)
16:10〜16:20  休憩
16:20〜17:00  総合討論



==========日本信頼性学会フォーラム プログラム==========

題名:STAMPとFRAM                  
               野本 秀樹 氏(有人宇宙システム株式会社)

概要:安全工学の歴史を概説し,各モデリング手法の特徴について述べる.20世紀初頭に生まれた事故モデルであるハインリッヒの「ドミノモデル」は,事故の原因を個人,社会の欠陥,コンポーネントの故障によるものとした.21世紀に誕生したレブソンの「STAMPモデル」は,事故を個人や社会の欠陥や,コンポーネントの故障によるもの以外にも,コンポーネントとコンポーネントの複雑なインタラクションの不全に起因するとして,安全工学を拡張した.さらに,ホルナゲルの「機能共鳴モデル」は,事故は,欠陥,不全ばかりではなく,成功からも発生するとして,安全工学をさらに拡張した.



題名: 複雑システムの安全設計へのチャレンジ
     ~システム理論に基づく新しい安全解析法STAMP/STPAの実践~
               兼本 茂(会津大学 名誉教授)

概要:自動車や介護ロボットなど高度なソフトウェアで制御される組込みシステムが日常生活で使われる時代になり,その安全確保のための方法論に産業界の興味が集まっている.既存の安全規格は,このような複雑で,かつ,人間-機械も含めた多様な相互作用を持ったシステムに対応できておらず,新しい安全設計の方法論が模索されている.米国MITのNancy Leveson教授によるSTAMP/STPAはその方法論の一つとして注目されている.講演では技術的な要因だけでなく,組織や人を含めた非技術的要因も考慮した包括的な事故防止アプローチとしての有効性を検証したケーススタディを紹介する.



題名: STAMP理論を活用した信号保安装置の安全解析の試行
               国藤 隆 氏(東日本旅客鉄道株式会社)

概要:宇宙機システムなど,ソフトウェア主体の複雑なシステムにおける安全性解析技術として注目されているSTAMP理論の鉄道の信号保安システム,特に踏切制御の安全性解析への適用を施行した事例について紹介する.


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【FMES関連学会】 (順不同)
・日本オペレーションズ・リサーチ学会
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